スイの株式投資ブログ

投資初心者です。

4-7月までの投資行動振り返り

先日、誕生日にイオンのフードコートで一人飯をして、車内で一人泣くというこれまでにない屈辱を味わった私より惨めな人がいるだろうか、いやいない。
今回は、そんな惨めな私が投資を始めて買った銘柄や色々と試してみたことの振り返りをしようと思う。
初心者が正解もわからず振り返りしても意味ない、もしくは振り返り前より悪くなるかもしれないが何となくしたくなったので。。

目次

 

運用総額推移について

4月初めに300万円、5月初めに500万円、6月末に900万円、7月21日現在1070万円という風に増えている(+300%のパフォーマンスが出てるわけじゃなく入金とレバレッジで増えてるだけ)。ほとんど知らずにいきなり大量購入怖かったので3月下旬に300万円くらいから始めた。これは頭の中で何回シミュレーションしても初手全力投球は出来なかったのでいくら歴史的な上昇局面だったとはいえ仕方ないことだっただろう。5月初めに500万円は少なかったかもしれない。一応四季報は通読していたし、知っている銘柄も増えてきたため勇気を持つことが重要だった(基本的にビビりなので改善したい)。そして色々と株を買っていたら”いつの間にか”ポジションが1070万円になっていた。ポジションの量が気付いたら想定量より遥かに増えていたため、資金管理が疎かになっていたのだろうと思う。本当は1000万円前後くらいの感覚だった。どれを売るべきなのか悩んでいるが、何を売ればいいか分からない。これは割と危ない状況なんだろうと思っているので、どうしようかな、と悩み中。思考停止に近いかも…?

電力株

3月下旬に九州電力を買って5月初めに+16%くらい利益が出た後に売って、その後数日で原発がある値上げ期待の電力株をバルク買いした。これはかなりのビギナーズラックで波乗りが出来た。九電を売った資金で次は値上げ電力買おうと思ってたところまでは良かったが、九電を売ったその日に別の銘柄を買うべきだったなと反省。数日下がるかもとかいう適当な予想でたまたま下がるもしくはヨコヨコだったから結果論では良かったが、上がっていれば買い向かえなかっただろうし、素直に当日中に銘柄を入れ替えるべきだったと思う。
中国電力の上げの初動で一時的に売ってしまったことは後悔している。決算後PTSで5%くらい上がった時に寄り天の多い電力株でいつも通り寄り天するだろうと思って数日の間に買い戻すつもりで売ったら爆買い中国人の如き鬼買いが入りさらに5%上がっていて急いで買い戻した。凄腕の方にもたしなめられて、長期保有目的で買った銘柄をさらに短期で売買する事の罪深さを知ったのだった。。。
沖縄電力で上がるかなと思って70円くらい利幅を取って終わったトレードも結果的に良かったがあまり良くなかった投資行動な気がする。
因みに九州電力の分析記事を書くために目を凄まじく酷使したせいで目から血が出た。。。

 

日本パレットプール

2024年問題と低PBRを兼ね備えた最強銘柄だと思い分析を始めたが、想定と違い即撤退。結果的にも撤退が正解だったのが少し自信を付けてくれたので良かった。
この時初めて小型株の資料の少なさにびっくりした。九州電力から分析したので分析するための資料が豊富にあるのが普通だと思っていたら全然資料無くて困った記憶がある

 

コスモス薬品

食料品が激安でよく利用しているお店だったのと、四季報で気になったので分析して購入。九州地盤で電気代が他地域地盤ドラッグストアよりも安く、2,3日に一回は行くので客の入り具合等も分かっているし、コロナが流行り病と認識されていくにつれて市販の風邪薬で済ませようとすることや化粧品が売れることで高利益率の商品が売れるんじゃないかと予測。あとチャートもダブルボトムを形成していて入りやすかった。PBR,PERが高い銘柄のため、4月中旬に12320円で購入して直近最安値の11430円を割ったら損切りと考えて買ったのは良かったが、買12320→売12400→買12750と値嵩株にビビり狼狽売りをしたり最高値付近で下がったことに一回ビビって逆指値による14400円で撤退→14700円で決算前再inしたのは反省点として残る。決算で微増配の発表と月次爆上げだったおかげで上がったが、増配は想定外だったため決算後の上げの半分くらいはラッキーだった。新規出店攻勢が続いているし、生活圏内で別のドラッグストアが潰れて数年何もなかった場所にコスモスが新規出店する等の情報が入ったため、これからも新規出店攻勢は続けると思っているためまだ保有中。すぐ売るかもしれないけど…。
現状の資金量だと値嵩株はポジションの微調整が出来ないので、そこら辺の勉強にもなった。

 

イカ

コロナ明けで化粧品の売り上げ上がりそうだと思い四季報を見ていてスクリーニングに引っかかった銘柄。他にも日本色材や高砂香料資生堂POLA、アイスタイル等も検討した。実際に現地調査もして化粧品の売り上げ自体はかなり好調だという事も分かった。最終的に日本色材とテイカのどっちかもしくはどっちもで迷ったが、2日で+20%上がってその後数日で全戻しするという完全にイカれたプレイを見せつけてきたためビビって4月中旬に1180円でテイカのみ購入開始。現状の結果論では日本色材とPOLAの成績が良い。POLAは知り合いがいて何となく気まずくてほぼ買う気なかったので良かったけど、直近決算で上がった日本色材を見て割合決めて少量でも保有しとけばな…とは思った。マスク取ったらそりゃ口紅売れるだろと思っていたし…。
イカ自体の購入が正解かどうかはまだ分からないが、現状後悔はしていない。まず底値近くだったのは間違いなかったし、そのままコロナが終息に向かうに連れて数年で1.7-2倍程度は狙える銘柄だと思っているし、買った時からほとんど値動きが気にならなかったということはこの銘柄に一定の確信と安心感があったからだ。買った日から今日までの成績も日経平均が+14%なのに対し、テイカは+16%とほぼ同等でくらいついている。
この銘柄に関しては2つ反省点がある。
1つは「2日に分けて120万円分買う」と決めて付箋を貼っていたのに何となく金額の大きさにビビって予定数量の半分しか買っていなかったことだ。結果的に最初にまとめて買っていたと想定した時よりも利益を逃している。
もう一つはIRに電話せずに購入したことである。有報や説明資料は読み込んだが要領を得なかったり細部まで把握することが難しいものだったのでIRへの問い合わせは必須だったけど折角問い合わせるなら分からないところをすべて洗い出してまとめて聞こうと思って質問まとめを作っている途中で他の銘柄にも気を取られ結局していない…。

 

竹内製作所

どこかの資料かTwitterで豊富な受注残と工場新設予定と知り、居ても立っても居られなくなり徹夜で調べて3610円購入&初の業界紙購入。このままいけば数年後の業績も右肩上がりで利益が増えて想定以上に利益が出ることもあり得ると思っていたが、今以上に、日経が暴落したらシクリカルな銘柄で大打撃受けるしどうしようとか考えていたため結局ちょっとの調整でビビって3510円で損切りした。その後も少しだけ売買したが結局ちょっとの下げでビビって損切り。シクリカルで怖いと思っていたのに買値から5%下げたら損切りとか最初に損切りライン決めてなかったのも敗因の一つかなあ。最初にライン決めてたら売ってなかっただろうし。

まんだらけ

これは良くなかった。ネット通販を始めて成長を続けているように見える銘柄で、調べたところ思ったより月次の伸び率が微妙で今年の8月の月次で化けの皮が剝がれると思っていたが、それまで上がるならマネーゲームに参加するのも悪くない?と思って5月初めに1757円で購入した。適当に下手くそ売買を繰り返し、最終的に1724円で損切り。短期的なお金に目がくらんだ亡者だった。長期どころか5か月後の月次が大したことないと予測した銘柄を買って普通に損して終わったのは本当に無意味な気がした。

 

名村造船所

5/21の某凄腕投資研究会で発表された銘柄。自分なりに調べてその翌日の5/22に成買いで購入開始。後悔は折角の暴利が貪れる機会だったのに、銘柄を特定したのが夜11時くらいだったから数時間くらい調べて寝たせいでそこまで多く買えなかったこと。その日徹夜すれば時給換算で凄まじいことになっていただろうにもったいないくらい。最近の事故や株価下げはほとんどメンタルにきてない。明確に予測不能で不運による部分が大きかったので、コスモス薬品や電力の利益がラッキーで嬉しさがあまりなかったのと同じように落ち込むことはあまりなかった。家族が朝のニュースで事故を知っていたらしいので世間話の中で出てきたら下げ回避できた可能性はあるけど…。

 

投資額が比較的少ない銘柄たち

レバ分散に関しては後述する予定だが、レバ分散も試してみたいと思い(ussiさんのツイキャスを聴いた後STFさんのブログとツイキャスを見漁った影響。)メルカリやパルグループ、サイバートラスト、ダイジェット工業など適当に上がりそうだったり下がらなさそうな株(集中投資に比べて圧倒的に分析時間が短い銘柄)を買ってみた。損切りラインを決めたり決めなかったり。基本的には買値から5%下がったら損切りや一定以上上がった株が買値に戻ったら損切りとしていた。現時点では最初に想像していた(最初はレバなんか死の道だと思っていた)より悪くないというか資金管理ができればレバ分散も選択としてはあると思い直した(現状はハイレバにする予定一切ない)。ただ、今はあまりに地合が良いので地合いが悪い時がきたら(自分の実力で)通用すると思っていないので死なない程度に少しだけ続けることで理解を深めていこうかなあとは検討中。

 

デイトレについて

テスタさんのYoutubeを見てデイトレも挑戦してみたが基本的に才能はなさそう。そもそもルールや法則みたいなものは全く知らないし、そういうものを学ぶ方法もわからない。ブログや本を読んだら分かるのかもしれないが確証がなくあまりしなかった。とはいえ、デイトレが得意ならかなり短期間で資産が増える(逆なら一瞬で資産が減ることになるが…)ので試さずにはいられなかった。結果的にジーデップで10万円程負けたので退場することにした。最初の頃にAbalanceのリバ狙いに参加して7230円から13000円くらいまで上がった時に数万円の利益しか取れなかったことがある。数万円取れた瞬間は満足していたのだが、Twitterで50万円ほど値幅を取っている人を見て才能はないんだと気付いた。たまに訪れる期待値がかなりプラスな取引を1つだけ見つけたのでそれが使えなくなるまではそれだけやろうと思っていたが、結果的にそのトレードで多少のプラスを手に入れることで他の期待値が微妙な銘柄も触ってしまって損をした。だからそのトレードも含めて引退することにした。お金が減った挙句に投資分析する時間も減った時ほどむなしい気持ちになることはない。

 

現物集中とレバ分散

私は10年で1000万円が1億円に増えてほしいと思って投資を始めた。そこでファンダで比較的短期間で成功を収めてるタイプはどんな投資手法だろうと思って調べて結論が出たのがこの二択だ(現物分散は安定しているが、突出したパフォーマンスが出づらい。レバ集中は破産まっしぐらなので論外)。
現物集中に必要なものは、銘柄分析力と自分の分析を信じる勇気だと思っている。レバ分散に必要なものは資金管理や損切りライン、企業を信じすぎないことだと思っている。銘柄分析に関しては基本的に暗黙知よりも根性の部分が大きいのでわかりやすい。逆に資金管理に関しては暗黙知や才能の部分が大きい。だから自分の中で資金管理に関して腹落ち出来るくらい理解が深まらないと本格的にレバ分散に手を出すのは危ないと思っている(誰か凄腕の方に話を聞く機会があればいいのだが…)。
現在の投資手法は資産の9割集中投資で1割程度でレバ分散の勉強をしている。今はどちらの感触も悪くはないが、分散銘柄の方は利確タイミングがよく分からないのが悩みだ。

 

エクセルによるポートフォリオ管理

毎日評価額前日比は計算していて増減は把握しているけど、エクセルでポートフォリオをまとめるという事をやっていない。プログラミングが出来ないので手入力で一々やると大変だから避けているけど流石にやった方がよさそう…。1000万円くらいのつもりで運用していたら1070万円だったことに気付いて結構焦っている。エクセル管理やらなきゃ…。

 

終わり

今考えると、最初に九州電力の分析をしたことはかなり大変だった気がする。小型株と比べて資料の多さも段違いだしよく心折れなかったなあ。。。
ありがたいことに数人の凄腕の方に、銘柄分析に優位性があると言って頂けたので多分自分の優位性はそこなんだろうな。だから本当はレバ分散に手を出す意味ないんだろう。
買っていない銘柄にも後悔はあるけど腐るほどあるので割愛。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本パレットプールの投資分析

目次

 

日本パレットプールの基本情報

3/31バフェットコードより引用

 

日本パレットプールの主な事業内容

・パレットレンタル事業
・その他事業
です。
順番に事業内容を見ていきましょう。

パレットレンタル事業について

日本パレットプール(以下NPP)は基本的にパレットレンタル事業のみの単一セグメントで事業を行っています。
パレットとは荷物を載せるために使う荷役台で物流に用います。フォークリフトなどを使って荷物を運んだり保存したりすることができるようになり、荷役作業が大幅に効率化できます。

パレットの画像 NPP公式HPより引用

 

NPPはパレットのレンタル事業(業界3位)を営んでいます。
借りたパレットをレンタルした場所ではなく全国200ヵ所以上あるデポ(小型物流拠点)のどこでも返却していいという一貫パレチゼーションというサービスを展開しています。自転車シェアリングみたいなサービスですね。
仕組みは以下の画像を見ていただければわかると思います。

パレットプールシステム 公式HPより引用

 

 

フクLOW」という位置情報管理システムで効率的にパレットを管理しています。これによりパレットの紛失を防いだり、未回収パレットの回収を強化出来るようになりました。このおかげもあってかパレットの耐用年数が伸びています

その他事業について

NPPはパレットレンタル事業を主たる業務としており、販売及びその他収入については、レンタル事業に付随して行われているのみとなっています。
要するにレンタルパレット業に特化して経営をしているということですね。
販売商品を見ていてもレンタルパレット事業に関わらないような無駄な商品は一つもなく、徹底していていいと思います。
因みに公式Youtubeチャンネルがあるのでよかったら見てみてください。

www.youtube.com

 

主要な株主構成

https://kabutan.jp/stock/holder?code=4690より引用

株主構成がこうだからあーだこーだという能力はないですが、一応貼っておきます。
一族経営ではないみたいですが、どういう経緯で会社が設立されたんでしょうか。
中期経営計画で株主還元への明言がなく、株主に対する意識が低そうなのは気になりますが、この株主構成なら経常利益の上昇とともに株主還元が増えて行ってもおかしくないような気がするんですがどうでしょうか。

※後でIR担当の方に問い合わせたところ、この会社は大阪商工会議所が物流の発展を踏まえてパレットの輸送を推し進めるために作られたそうです。東京商工会議所が同じ経緯で作ったのが日本パレットレンタルだそうです。IR担当の方、お忙しいところ大変丁寧に優しく教えていただいてありがとうございました!

 

変わらねばならない物流業界

EC市場の隆盛によるトラックドライバーの長時間労働慢性化への対処策として2024年に自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることになりました。その影響で発生する問題を一般に2024年問題といいます。
そこで物流業界は何としてでも効率的に業務を行わないといけなくなります。
では、トラックドライバーが長時間労働を行わなければならない理由は何でしょうか。
トラックドライバーの長時間労働の改善を行うことが難しい理由のアンケートは以下の画像です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000883737.pdfより引用


画像より長時間労働の短縮について難しい理由で「荷待ち時間(荷物の積み下ろし待ちも含まれる)」と「積み込みや荷下ろしが手荷役」が多く回答されています。
これを改善する一つとしてパレットの積極的活用があります。他にもハンディターミナルの活用など沢山商機がありそうですね。

 

財務について

2005-2021年度業績推移と2022年度業績予想

リーマンショックの後、しっかり営業利益も落ちているので最近話題の本格的な景気後退になったら割とダメージを受けそうです。
注目ポイントは2022年度の業績予想で売上高はそこまで大きく変化していないのに営業利益が大幅に上昇している点です。
2022年度の業績予想では
・売上高72億円(前年比+1.5%)
・営業利益9.5億円(前年比+106.6%)
・経常利益10億円(前年比+60%)
当期純利益7.5億円(前年比+174.9%)
・予想PER5.33
・予想ROE14
予想自己資本比率50.7%
となっています。
これは木製パレットの耐用年数が5年から6年に変更されたことが理由です。木製パレットはNPPが独自に経済的耐用年数を見積もって決定しており、木製パレットの修理基準の改定や未回収パレットの督促の強化で使用期間が従来よりも伸びていることが判明したそうです。その結果、2022年度の減価償却費が3.05億円減少し、営業利益が同額増加しています。

これはどういう風に捉えればいいんでしょうか?この業績はずっと維持できるのでしょうか?
ROE14が続けば自己資本が10年で3.7倍になりますし、FCFもかなり大きな数字になります。
自分でしっかり考えて調べて結論を出す方がいいんでしょうが、今回は株価の変動も大きく一刻を争うと思ったのでIR担当の方にお聞きしました。
「2022年度で減価償却費がパレットの耐用年数の変更でガクッと下がっているんですけど、これは継続的に下がり続けるという認識でよろしいでしょうか」とお聞きしたところ「これは今年限りで来年以降は元に戻ります」とご回答頂きました。
私の質問の仕方が悪く、微妙に解釈違いが起きそうな回答になってしまいました。
私は、耐用年数5年から6年に変更したことで元々耐用年数5年で減価償却費を計算して計上していたものが6年に変更になって減った影響で一時的に大きく減価償却費を押し下げたという認識をしています。
ということで、今回の減価償却費3.05億円の減少は一時的で来期以降は期待できないみたいですね。残念です。私は思い描いたストーリーと違っていたのでここで打診買いしていた株とおさらばしました…調べた時間返して!!!
追加の株主還元が消極的だなあと思っていたんですが、納得できました。


ここで一旦分析を打ち切ろうと思います。私とは別の結論を導き出す方もいらっしゃると思いますので最後まで分析を続けようか悩みました。もしお声があれば検討します。

私自身はここで株の所有をやめましたが、依然として2024年問題は続きますし最近話題の低PBR企業なので可能性のある企業だと思います。今期の決算で恐らく自己資本比率50%を超えてふんだんに資金があるので、PBR1倍に達するために大規模の自社株買いを行う可能性もあります。減価償却費も今期ほどではないですが、前期よりは多少下がると思います。

まとめ?

私がこの株を調べた理由は
・2024年問題
・今期決算予想のような好調が続くかもしれない
・低PBR企業と東証の関係
・同業他社に比べて高いROEが出せるのはなんで?
です。
業績好調が続けばROE14%、PER5.33、PBR0.7というかなりのお得物件じゃん!と思って調べましたが、思ったようにはいきませんでしたので撤退します。

 

IRで問い合わせたこと一覧

私のバカバカしい質問を丁寧に回答してくださったコワモテ声のIRの担当者様、ありがとうございました。

Q1 大株主を見た時に創業者の方が見当たらなかったので疑問なんですが、この会社はどうやって設立されたのか
Ans もとは大阪商工会議所が物流の発展を踏まえてパレットの輸送を推し進めるために作った。その時出資していた日本貨物鉄道などが今の大株主に当たる。
Q2 紛失補償金が毎年結構な額あるが、これは基本的に新しいパレットを購入や生産に充てられるのか
Ans そうではないこともある
Q3 2022年度で減価償却費が木製パレットの耐用年数の変更でガクッと下がっているが、これからも同じ額減価償却費が下がるという認識でいいのか
Ans 今年限りで来期以降は元に戻る

中期経営計画に株主還元に関して記載がないことを聞こうと思っていましたが、Q3の時点でプランが崩れたので聞くのはやめました。

初めての打診買いとその後

打診買いってどのタイミングでどれくらい買うのがいいんですかね。もちろん時と場合にはよると思いますので上手い人はその都度決めるんでしょうが、よく分からないですね。
先週、日本パレットプール2234円で「この株良いなあ」と思い100株だけ購入しました(もし分析後さらに良いと思ったら500株くらい買おうと思っていた)。そしたら今週月曜日の寄りで大口?の影響か、凄い暴騰を見せたので焦って100株だけ2264で購入するとどんどん下がってしまいました。
結果的に自分の思うストーリーとは違ったので株を2419円で処分することになりました。
当初の予定では110万円の購入予定で22万の打診買いなので約20%くらいを打診買いしています。どれくらいの割合で買うのが理想なんでしょうか…。今は資本が小さいのでそこまで気にしなくていいとは思いますが気になります…。試行錯誤を繰り返すしかないんですかね。
心の優しい方いたらご教授いただければ幸いです。

 

 

過去記事

meishoumitei.hateblo.jp

九州電力の投資分析

 

株式市場は、インフレの最たる犠牲者は公益企業だと考えている。公益企業は借入金コストの大幅な上昇と料金の値上げが難しいことの板挟みに遭うからである。しかしここは目の付け所でもある。電気、ガス、電話それぞれの価格上昇が一般物価指標よりはるかに少ないという事実こそが、これらの企業を将来強力かつ有利な状況に置くからである。
ベンジャミン・グレアム:賢明なる投資家:割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法より引用

 

みんなと違うことをしなければ、優れたパフォーマンスを上げることはできない
ジョン・テンプルトン卿

 

 

目次

 





九州電力の基本情報

3/26バフェットコードより

https://www.buffett-code.com/company/9508/

 

九州電力の主な事業内容

従来事業
 ・国内エネルギー発電・販売・送配電事業
 成長事業
 ・再エネ事業
 ・海外事業
 ・ICT事業
 ・都市開発事業
 ・その他事業
となっています。
順番に事業内容を見ていきましょう。

 

国内電気事業について

2021年度電源構成です。(2023年度以降はこのような感じになるはず)

 

2022年度は原発の定期検査等で原子力利用率56%に低下する計画や燃料費の高騰と燃調上限、期ずれ差損で今年度は厳しい状況に置かれています。
特に原発の稼働状況、原油LNG・石炭の燃料価格、燃調上限が重要です。
2022年度は
原子力設備利用率が1%向上した場合15億程度の燃料費削減効果
原発1か月の停止で50億円/基ほどの損失
・石炭:10$/t、LNG:1$/MMBtuの価格上昇で150億円程度の燃料費増
と見積もられています。

 
燃調上限のせいで燃料費を充分に価格に転嫁できずに赤字となっていますが、来期以降の原発稼働率向上やLNG転売(サハリン2次第)を見込み他社と違い規制料金の値上げ申請はしていません。
因みに2023年の4月分の平均燃料価格は約82,300円で燃調上限の41,100円を大幅に超えているので超過分は九電が赤字でサービス提供することになります(恐らく高圧、特別高圧は燃調上限が見直されているので低圧のみ燃調上限が問題になっています)。

原油CIF価格推移

石炭価格推移

LNG価格推移

 

2023年以降は玄海特重工事完了に伴い、原子力安全対策投資が大きく減少し(私の検索能力では具体的な数字までは不明)、原子力利用率が90%に増加する予定です。
原子力設備利用率が1%向上すると約15億円の燃料費削減効果があるらしいので、56%から90%増加した場合の単純計算で来期は510億円ほど燃料費が削減されることになります。
また、原発利用率増加により2023年以降は燃料市場価格高騰に対する耐性が向上します。

主なリスクとしては、自然災害等の原発停止、燃料費高騰や高止まり、気候変動、景気動向が考えられます。

 

成長事業について

九電は中期経営計画で成長事業の投資について意欲的であり成長事業の2025年経常利益500億円を目標とし、既に目標達成のための9割の案件が決定しているそうです。

 

再エネ事業について

経常利益は2021年度26億円、2022年度Q2で48億円です。
中期経営計画で2025年に経常利益130億円を目標としています。
2025年の再生可能エネルギー開発量目標は400万kWであり、2021年度末の再エネ開発量は255万kW(64%)で既決定案件は301万kW(達成率75%)です。

2021年度末の再エネ開発量は
・太陽光9.4万kW
・風力20.7万kW
・水力(揚水発電を除く)128.7万kW
・地熱55.3万kW
バイオマス40.6万kW
合計254.7万kWです。
2022年度目標既決定案件は323万kWとなっています。

主なリスクは、燃料費変動、気候変動、システム障害があるが、比較的安定しているように思えます。

 

海外事業について

国内で蓄積したエネルギーに関する技術を生かし海外で事業を展開しています。

海外事業展開

詳しくは下記URLでご確認ください。

www.kyuden-intl.co.jp

 

中期経営計画の目標では2025年の海外発電持分出力400万kW、経常利益70億円としています。
2021年度の実績は海外発電持分出力291万kW(達成率72%)売上高120億円、経常利益64億円(達成率91%)となっています。海外発電持分出力の達成率が72%なのに経常利益の達成率が91%となっているのはガス・LNG販売価格や為替差益の上昇等によるものらしいので燃料費が落ち着けば経常利益も下がることになります。
2022年度Q3は売上高49億円、経常利益71億円(達成率101%)で、為替差益の計上が大きいみたいです。

 

ICT事業について

多角化されていて正直よく分からなかったのですが、主な事業は
・九州の通信インフラ(工事から保守・運用)
・システム設計・保守
・データ通信事業
です。
ICT関連の子会社のURLを貼っておきますので気になる方はどうぞ。

株式会社QTnet コーポレートサイト 

ニシム電子工業株式会社|情報・通信・制御・太陽光発電システムなどお客さまに最適なトータルソリューションを提供

九電ビジネスソリューションズ株式会社(Qsol)

株式会社ネットワーク応用技術研究所

株式会社 QTmedia | COARAの発展形デジタルエージェンシー

株式会社 RKKCS / システム設計、ソフトウェア開発・販売、情報機器販売、入力データ作成

 

本業とシナジーあまりなさそうなものも結構ありました。ドローンサービスとかサーモンの養殖とかおけいこタウンとか…
e-sportsスタジアム(https://challepa.jp/)を作っていたのに純粋に驚きました。

中期経営計画の目標では、2025年に経常利益100億円としています。
2021年度は売上高1124億円、経常利益61億円(達成率61%)
2022Q3は売上高803億円、経常利益25億円(達成率25%)となっています。

光ブロードバンド事業「BBIQ」の光ファイバー減価償却費増加に伴い経常利益は減少しています。なお、減価償却はあと数年でなくなるため、それ以降はQTnetの利益拡大が狙えます(経営概況説明会(2022/05/10))。

 

都市開発事業について

中期経営計画の目標では、経常利益50億円としています。
2021年度は売上高252億円、経常利益38億円(達成率76%)です。
2022Q3は売上高174億円、経常利益20億円(達成率40%)です。

 

オフィス・住宅、空港、複合施設、物流、海外の都市開発をしています。
基本的には福岡県を中心に九州、神奈川県、広島県アメリカにも手を伸ばしているそうです。
九電は「都市開発事業は電気事業以外の収益源獲得につながります。都市開発に取り組めば、そこには必ず電気の需要が生まれます。その他エネルギー関連事業の商機も生まれ、当社全体の収益拡大につながる効果も期待できます。」と、従来事業とのシナジーを主張していますが、電気事業に対して小規模なのでシナジーは限定的なものだと思われます。
地の利がある九州の都市開発に手を出すのは良いとしても、アメリカの都市開発は意味あるんでしょうか。
全然関係ないですが、ららぽーと福岡は姉がよく行ってウキウキ買い物してますね。「人混み凄い!」って言っていました。

都市開発は、中期経営計画の経常利益目標1250億円のうち50億円であり、経常利益目標1250億円に占める都市開発事業の割合が4%程度なのでそこまで重要ではないととらえています。

 

その他事業について

中期経営計画の目標では、2025年に経常利益150億円としています。
2021年度は経常利益199億円(達成率133%)です。
2022Q2は経常利益96億円(達成率64%)です。
主な事業は
・有料老人ホーム事業
・事務業務受託事業
・人材派遣事業
・海外燃料プロジェクト
e-sportsプロ団体
だと思います。
戦国ゲーミングって九電が運営してたんですか!?ValorantでSomething136killして負けたことは記憶に新しいですね。残念ですがValorantでは活躍を期待できそうにないです。。

 

業界のこれまで

資源に乏しい日本はこれまで安価で大量の発電が行える原発に頼っていましたが、東日本大震災福島第一原発の事故があってから電力業界は原子力に厳しい規制をかけられ、発電電力量に占める原子力の割合が25%から4%まで落ちています。
また、発電電力量は2010年をピークに2020年には13%ほど減少しています。

 

発電業者なのに暗い電力業界の現状

厳しい原発規制の中、コロナ禍で世界的な金融緩和の流れとロシアのウクライナ侵攻があり、燃料費が3-4倍近く高騰してしまいました。
旧一般電気事業者は公益事業の側面が強いため燃調上限等の規制をかけられているのと燃料費の期ずれ影響で電力を売れば売るほど赤字が拡大するという凄惨な状況です。
このままでは経営破綻してしまうため旧一電である東京電力等7社は値上げ申請を行って一時は受理されたものの、政府が国民の家計を守るために値上げを先送りしようとしています。

 

財務について

2022統合報告書より引用

セグメント別の業績 2022Q3四半期報告書より引用

当たり前ですけど、従来の国内電気事業に売上高、経常損益が左右されていますね。
調べているときに、シナジーのない部門って必要性あるのかなと思ってたんですが、燃料費高騰のヘッジのような役割をはたしている可能性があるかもしれませんね。
来期に限れば、九州電力は過去の売上高、利益の推移よりも「燃料費の変動、期ずれ影響、原子力利用率」が重要だと思います。
2022Q3時点で自己資本比率が10.2%とかなり低いことが気になります。

 

過去のPBRと下値

過去のPBRの下値が、2012年3月PBR0.49、2022年10月PBR0.53であり、特に2012年の震災時のPBRを割るとは思えません。
現在はPBR0.58なのでPBR0.53まで下がると株価は-10%、震災時のPBR0.49まで下がると株価は-17%となる可能性があります。
赤字が拡大すると純資産額下落に伴いPBRが上昇しさらなる下落の可能性もありますが、原発も全基再稼働を果たしていて3/23に北海道電力が赤字縮小の上方修正をしているためその心配はあまり必要ないと思います。
また、LNGが高止まりしても、サハリン2からLNGを調達できて原発利用率が90%(来期予定)あればLNG転売益(2021年度経常利益272億円)で稼ぐことができます。

追記:こどとれさんから2022年度で大型のLNG長期契約が切れて燃料費が高止まりしてもLNG転売で2021年度のように稼ぐことができないという事実をおしえていただきました。

 

 

 

甘い誘惑~2025年度中期経営計画について

九州電力は2025年度に達成する目標として
・経常利益1250億円→従来事業750億円、成長事業500億円
自己資本比率20%
・可能な限り早期の配当50円復配
等を掲げています。

2025年度目標と進捗状況

 

まず・経常利益1250億円が達成するのかどうかを考えていきます。
目標経常利益1250億円の内訳はこちらです
・従来事業(国内電気事業)750億円(60%)
・成長事業500億円(40%)
  ↳・再エネ事業130億円(10.4%)
  ↳・海外事業70億円(5.6%)
  ↳・ICT事業100億円(8%)
  ↳・都市開発事業50億円(4%)
  ↳・その他事業150億円(12%)

 

・従来事業750億円の達成可否についての考察

まず過去のデータを見てみましょう。
以下のデータは「国内電気事業の売上高、経常利益推移」と「原発利用率推移」、「原油、石炭、天然ガス価格推移(年次)」です。

 

有価証券報告書における国内電気事業の売上、経常利益推移

 

原発設備利用率推移



原油CIF価格推移(年次)

石炭価格推移(年次)

天然ガス価格推移(年次)

 

これらのデータを見ると2008年の燃料費の高騰では原発発電量が高いおかげ(玄海1,2号機も稼働している)で経常利益740億円を達成していますが、原発が稼働停止に追いやられた2011年~2014年は燃料費の高騰と高止まりの影響で凄まじいほどの赤字を出していることがわかります。
そして2022年度も、原発停止期間があり、期ずれ影響、燃料費が燃調上限に達するという悪夢を迎え多量出血予定です。
しかし、現在は原発が全て再稼働していて燃料価格も下がってきています(とはいえ未だに燃調上限を超えている)。
2022年度はサハリン2から45万トン調達予定だそうです。これが来期も順調に調達できれば燃料費が高止まりしても丸々LNG転売益が乗ることになります(燃料費が恐ろしく下がれば差損を出す可能性もありますが期ずれ差益の方が大きいと思うので大丈夫だと思います)。

燃料費について短期的にどう変動するかは予測困難ですが、短期で3,4倍になった燃料費が数年以内に下がっていくことは想像に難くないです。
また、予測通り燃料費が下がった場合は期ズレ差益で短期的に大きな経常利益を生み出せます。

以上のことから原発が安定稼働していれば、2025年に経常利益750億円を達成することはその時の燃料費次第だが十分可能であり、2025年"まで"に経常利益750億円を上げる可能性は高いですし、一時的に経常利益が1000億円近くになることもあり得ると思っています。

追記:こどとれさんからLNG転売益の期待はできないことを教えていただきました。現時点で赤字にはならないと思っていますが、燃料費が高止まりした際に厳しい状況になりそうです。

 

・成長事業の経常利益500億円の達成可否についての考察

池辺社長によると「目標値500億円のうち9割程度は、既に投資済みの案件や投資が決定している案件などからの利益として見込んでおり、達成角度は高いと考えています」だそうです。
2020年度の経常利益は270億円で、2021年度の経常利益は338億円でした。

成長事業の進捗状況
 
再エネ事業の経常利益130億円について

前述しましたが、中期経営計画の目標は
・再エネ開発量目標は400万kW
・経常利益130億円
となっています。
以下のデータは、再エネ開発量推移と再エネ経常利益推移です。

データはアニュアルレポートと統合報告書から

再エネ開発量は2018年度から平均で17.5万kWずつ増加しています。既決定案件は直近のデータしか調べられなかったですが既決定案件323kWから4年間(2022年度~2025年度)で平均17.5万kW増えていくと既決定案件は393kWとなり、再エネ開発量は400万kWまで届きません。現在の既決定案件が2025年度までに全て稼働し、さらに2022,2023年度のに決定された案件を17.5万kW×2年とすると2025年度の再エネ開発量は358kWとなります(仮定が適当すぎるのであてになりませんが)。

成長事業の進捗

上の画像の赤丸で囲まれた部分を見てわかるように、経常利益が既決定案件で目標の9割を達成する予定なのに、再エネ事業の経常利益予測は55億円くらいです。
現実的には55-70億円くらいで考えていたほうが良いと思います。

 

海外事業の経常利益70億円について

中期経営計画の海外事業の2025年の目標は
・経常利益70億円
・海外発電持分出力400万kW
となっています。

2022年度の決算セグメントの変更で海外燃料プロジェクトを「その他」に含めているため、統合報告書では2021年度の経常利益64億円とされていましたが2022Q2経営概況説明会資料で14億円に訂正され2022Q2では経常利益31億円となっています。
過去の経常利益の推移は
2020年度50億円(達成率71%)
2021年度14億円(達成率28%)
2022Q3   71億円(達成率101%)
となっており、既決定案件で2025年度には60億円ほど達成する見込みになっています。順調に推移していますので円安が続けば中期経営計画の目標を達成可能だと考えています。円高になれば国内電気事業にとって都合がいいのである種のリスクヘッジ的な役割も果たしていると考えます。

 

ICT事業の経常利益100億円について

過去の経常利益の推移は
2020年度70億円(達成率70%)
2021年度61億円(達成率61%)
2022Q3   25億円(前年同期比38%減)
です。

池辺社長によると、今期は光ファイバー減価償却費の増加で経常利益が減っているがあと数年で減価償却費がなくなり、経常利益が伸びるそうです。
IRに「具体的に何年に減価償却がなくなるか、減価償却費はいくらなのか」を問い合わせると、具体的な数字は言えないが2024年度以内に減価償却がなくなり2025年度以降は経常利益が伸びるという風に答えらえました。
九州全域に整備された光ファイバ網の減価償却費はかなり高いと思うので経常利益100億は現実的な数字であると思いますし、既決定案件で110億円くらいの経常利益を見込むという事なので可能ではないかと推察します(とはいえ恐らく2024年度までは経常利益が伸びないという悲しい事実)。

 

 

都市開発事業の経常利益50億円について

過去の経常利益の推移は
2020年度30億円(達成率60%)
2021年度38億円(達成率76%)
2022Q3   20億円(前年同四半期比24.5%増)
です。
従来事業とのシナジーは感じられませんが、売上高、経常利益ともに順調に推移しているように見えるので目標達成は可能だと考えています。インフレ時の電気事業の弱さを少しだけヘッジできることが都市開発事業の利点ではないでしょうか。
目論見が外れて例えば2025年の経常利益が30億円だったとしても差は-20億円と誤差なのであまり重要ではないです。

 

その他事業の経常利益150億円について

ここは「その他グループ会社」の経常利益を積み上げたものになりますのであまり詳しいデータが記載されていないですが、経常利益の実績は
2020年度90億円(達成率60%)
2021年度199億円(達成率133%)
2022Q2   96億円(達成率66%)
です。

調べても多角化しすぎているのと、その他区分なのでデータが乏しかったのでIRに問い合わせてみました。
2020年度から2021年度の大幅な増加について、海外で燃料の上流権限を持っているので燃料高の影響(と円安の影響)で経常利益が増加した、との回答が得られました。
今期から海外燃料プロジェクトがその他区分になったみたいなので円高や、燃料安で経常利益が減る可能性があります。
燃料安、円高になった場合は国内電気事業で期ずれ差益等の利益が出るのでリスクヘッジとして機能している部分もあるのではないでしょうか。
個人の見解としては、目標150億円達成は可能であり、燃料安+円高で2020年度+αの100億円程度しか達成できなかったとしてもその分を国内電気事業にプラスが出ると考えています。

 

 

成長事業の経常利益500億円の達成可否についての結論

以上のことから経常利益予測を
・再エネ事業60億円
・海外事業70億円
・ICT事業110億円
・都市開発事業50億円
・その他事業150億円
合計 440億円
とします。
目標までは届かないものの素晴らしい数字ではないでしょうか。

 

2025年度経常利益1250億円の結論

私の予測では2025年度経常利益は
・従来事業750億円(達成率100%)(期ずれ影響除く)
・成長事業440億円(達成率88%)
合計1190億円です。

2025年度は目標経常利益未達の予測ですが、2025年度以内であれば期ずれ差益の影響で1250億円を超えることは現実的にあり得ると思っています。(後述?)

 

可能な限り早期の配当50円復配について

過去のデータでは経常利益600億円の時に配当60円出していることもあります。勝手な憶測ですが、経常利益1000億円を超えたら配当50円の復配が行われると思っています。
経常利益1250億円であれば間違いないですね。

 

 

経常利益1190億円を達成して50円復配の時のPERとPBR

九州電力の株式を750円で購入した場合
株価750円のままなら
・PER2.98
配当利回り6.67%
株価が配当利回り2019~2022の平均利回り4.36%まで上昇した場合
・株価1146円(+52.9%)
配当利回り4.36%
・三年間で平均利回り+17.6%
PERが2015~2017のPER7まで株価が上昇した場合
・株価1758円(+134.4%)
配当利回り2.8%
・三年間で平均利回り+44.8%
となります。
私個人の意見としては2025年以内に一時的に経常利益1250億円を達成する確率が高く、2025年度も1190億円を達成する確率が高いと思うのでかなり魅力的な銘柄だと考えます。

追記:LNG転売が期待できなくなったため、燃料費が高止まりした場合のリスクは大きいです。今更気付いたんですが、経常利益でPERを計算していたのでこれよりPERは高くなります。面倒なので変更はしませんすみません…

・成長事業と従来事業のシナジーについて

九電は電気事業が最も重要で一本足経営に近いと思われるが、そういう企業が多角化して事業を拡大するのはいいのでしょうか。

長期的に重要なことは全社的な成長や規模ではなく一株当たりの価値

ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア:破天荒な経営者たちより引用

上場企業のほとんどのCEOが、ウォール街が好む基準である四半期の純利益を最大にすることに力を注ぐ気持ちは理解できる。ただ、純利益は少しあやふやな指標で、債務や税金や設備投資や過去の買収などによって大きくゆがめられていることがある

ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア:破天荒な経営者たちより引用

破天荒な経営者たちという本で、むやみに多角化したCBS(放送局)と多角化を拒み明確な得意分野のメディア事業に集中投資したキャピタル・シティーズ(放送局)の顛末が描かれています。
多角化」「相乗効果」といったメリットをうたっても魔法のように利益が増えるわけではないし、むしろ株主に悪影響だという主張です。
九電も成長事業という大義名分で多角化を推し進めていますが、これはどう評価するべきなのでしょうか。
投資初心者の私にはまだこの問いは難易度が高いですが、個人的には大部分は悪くはない選択だと思っています。なぜなら、国内電気事業は燃料費の変動や政府の影響が極めて大きいので今期のような状況になったときに短期的に成す術がないからです。長期的には政府への値上げ申請などで業績改善を見込めますが、経営破綻しないように政府の規制料金で売れば売るほど赤字になる状態になったときも耐えられる自己資本と他事業でリスクヘッジをするということが悪くない選択のように感じています。
とはいえシナジーが明確ではなかったり限定的な事業については否定的です。例えばe-sportsや海外での都市開発、サーモンの養殖、ドローンサービスなどは必要がない事業だと思っています。こういう無駄な事業が自己資本比率を押し下げる原因にもなっているのでしょうか。

 

 

 

・競合他社(旧一電)との比較

今回は疲れたので時間があるときに追記予定です。
ほぼ地域ごとに区切られている状況であり競合と言えるかわからないですが、原発と電源構成、値上げ申請、自己資本比率等で差がつくように思います。

 

まとめ

・2025年度経常利益は1190億円だと予測
・経常利益1190億円を達成した時の株価は1.5~2.3倍になるポテンシャルがある
・-10%~-17%程度下がる可能性がある
九州電力で重要な指標は
 ・燃料費と通貨の変動
 ・原発利用率と安定稼働
 LNG転売
 ・配当復配
 ・金利変動(0.1%で7億円くらい)
 ・震災時PBR0.49
 ・低い自己資本比率
 ・期ずれ影響
 ・燃調上限
 ・値上げ申請
 ・政府の規制

・燃料費が高止まりした場合は相当厳しい

重要指標はパッと思いつくものだけ書いたので他にも色々あると思いますがサクッと分析したい人向けに書きました。
Twitterで見るようなすごいパフォーマンスになることはなさそうですが、個人的には一定の投資妙味があると思います。

 

IRで問い合わせたこと一覧

初心者の私のバカな質問にも丁寧に回答していただいたIR担当者の○○さんに多大な感謝です。
Q1 2012年のアニュアルレポートでは当社およびグループ各社の再エネ設備量が記載されているが2013ー20xxは見つからない。データを貰える?
Ans 公開されているデータでは、財務データブックの発電設備容量に国内の設備容量の推移がある。海外は記載していないが、これを参考にしてほしい。
Q2 従来事業とは国内電気事業のことでいいの?
Ans はい
Q3 であれば国内電気事業に関して有価証券報告書の売上高、経常利益と統合報告書の数字が合わないのはどうして?
Ans 統合報告書は内部取引消去前のデータだから
Q4 再エネ開発地は規模的にも効率的にも良い場所から選定して開発してきたと思うが、それなら効率の良いところが減ってきていると思う。それでも2025年度までに再エネ開発量400万kW達成できると思ってる?
Ans 目標としています。
Q5 LNGの長期契約の平均価格は?
Ans 他社に戦略が漏れるといけないので出来ない
Q6 為替差益のない場合の2022Q3の海外事業の経常利益はいくら?
Ans 具体的な数字は言えないが前年度と同じくらい
Q7 2022Q2経営概況説明会の資料12ページで絵既決定案件で経常利益目標の9割と書いてある部分の数字だけが書かれていないので事業ごとの経常利益予想の数字を教えて
Ans 具体的な数字で予想しているわけではなくあくまで感覚として記載している
Q8 ICT偉業について光ファイバー減価償却が無くなる年度と減価償却費用はいくらなのか教えて
Ans 具体的な数字は言えないが、2025年度が始まるまでに無くなる
Q9 その他事業の経常利益が2020年度から2021年度にかけて爆発的に伸びているが原因は何?
Ans 海外の燃料の上流権限を持っていて燃料費の高騰影響が関係している

初めてブログを書いた雑感

幼いころから文章を書くのが好きではなかったのでめちゃくちゃしんどかったー。
他の人たちのブログのすごさが分かった。みんなまとまってるし見やすくて良いな。
一つの企業でこんだけ調べる時間費やしていたら時間がいくらあっても足りない。今回は初めての企業分析だったから小さい事業についてもある程度分析したけどこれからは絞っていくと思う。
一定のスクリーニング(PER,PBR等)で目ぼしい企業を絞って、企業ごとに重要になる指標を見極めて分析。めちゃくちゃ良いってなったらその時点で打診買いして、詳細な分析をして意思決定を行うって手順がいいのかな。
九電も十分に良いと思うけどすごい成績の人たちは+50%とか残してるしもっといい銘柄あるんだろうな。上手く見つけて乗り換えていくのが高パフォーマンスの道なんかな。
以前の中期経営計画の目標がちゃんと達成されているか書きたかったけど、途中で力尽きて目視でパパっと確認して終わらせてしまった。震災の影響もあってかあんまり参考にならない感じだったからまあいいか。

 

 

株初心者、電力素人なので間違っていることや、助言、気になること等あれば気軽に教えてください。